おんなじ恐竜

2023.01.16

もうすぐ2歳になる息子は、このところ恐竜にはまっている。今日もおもちゃ売り場で恐竜のフィギュアを抱えて離さない。手にしているのは既に持っている商品。お気に入りの、首のながーい恐竜だ。思わず声をかける。

「それは持ってるじゃん?別のにした方がいいんじゃない?」

息子は首を横にふって、この子を連れて帰るのだ!という強い意志を表明する。子どもはよく、自分の持っているものと同じものに反応するので、こまったなと思うが仕方ない。これだけ頑なな態度を見せられては気持ちを尊重するほかない。

と、しぶしぶ買った恐竜が今、家で大活躍している。

もともと持っていた恐竜にお友達が出来ていた。二匹を使ってうまく遊んでいるのだ。二匹いることで息子のあそびの世界はぐんと広がっていた。本人がどこまで想定して同じものを欲しがっていたかは分からない。けれどこれだけ活躍してくれているのなら、親としても文句のつけようがない。

子どもの遊びに伴走するのは、少しだけクライアントワークに似ている。本人には見えているけど、まだ現実に存在しないものを想像して、形をつくる。その時に、勝手にこちらが世界を作りすぎてしまうと熱量を下げてしまう。

二匹の恐竜を手に遊んでいる息子に「パパも!」と、別の恐竜フィギュアを手渡される。その二匹は果たしてお友達なのか、兄弟なのか。汲みとって参加しなくてはならない。さっきまでお友達の設定だったからといって、今もそれが続いているとは限らない。「どしたのー?なにしてるのー?」当たり障りないセリフを口にしながら、全体の世界観を読み取る。そして、息子の設定を崩さない範囲内で、でもちょっと驚きのある提案を考える。

クライアントさんたちの温度感、世界観、好きなもの、やりたくないこと、やりたいこと。目指す未来は毎回毎回、同じではない。そして「すでにやったことあるならやらなくていいのでは?」といった決めつけは厳禁だ。いつもドキドキしながら提案する。

「おなかすいたなーみんなできょうりゅうハンバーグつくろうか〜」